事務所ブログ

2014年9月 9日 火曜日

列車往来危険罪

こんにちは。
目黒駅近くのリベラルアーツ法律事務所の弁護士の松木隆佳です。

今朝,京王線が自転車と衝突したという理由で遅れておりました。
通勤途中,その情報を観ましたが,踏切で自転車を置いて逃げてしまったか,接触したのだろう,くらいにしか思っていませんでした。
ところが,事務所に来て,ふとニュースを見てみると,意図的に投げ入れられたものとみて,警察が列車往来危険容疑で捜査しているとありました。

さて,このように,意図的に自転車を放置すると,どのような法的な責任を負うのでしょうか。

まず,民事上ですが,京王線の列車や線路等に毀損が生じれば,それを賠償する責任が生じるでしょう。
また,列車遅延により,振替輸送等を実施したことによる損害も賠償する責任が生じるでしょう。
この点,乗客が列車遅延により負った損害を賠償するかについては,私見ですが,難しいと思われます。

今回は,民事についてはこのくらいにしておき,ニュースになっている刑事責任についてみてみましょう。
刑法125条1項で,「鉄道若しくはその標識を損壊し,又はその他の方法により,汽車又は電車の往来の危険を生じさせた者」を処分することとされております。自転車を放置したり,置石をしたりして,電車の往来の危険を生じさせた人は,往来危険罪に問われることとなります。
この刑については,「2年以上の有期懲役」とされていますので,例えば,窃盗の「10年以下の懲役」などと比べても重い罪といえます。

そして,刑法126条1項で,現に人がいる電車等を直接転覆させたり,破損したすると,「無期又は3年以上の懲役」に処するとされています。
今回は,直接電車を破損等させたわけではないので,これには該当しませんが,
刑法127条で,列車の往来を生じさせ,結果として現に人がいる電車等を転覆させたり,破損した場合も同様とされていますので,結局,今回の被疑者は,「無期又は3年以下の懲役」に処せられることとなります。

今回のニュースでは,人が怪我したり亡くなったりしていないようですが,仮に,人がなくなるようなことがあった場合には,「死刑又は無期懲役」のどちらかしかない,非常に重い罪になります。

当然のことでありますが,決して,遊び心などで線路に置石などしてはいけません。
とても重い罪であるということを意識する必要があります。

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投稿者 リベラルアーツ法律事務所